CloudCerts サンプルページ

ブロックチェーン証明書サンプル

修了証書

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

有資格証

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

学位証明書

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

製品保証書

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

社員証

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

財務諸表

(「Verify again」をタップするとブロックチェーンへの検証機能を使用できます。)

CloudCerts管理画面

導入までの流れ

マンガで分かる!ブロックチェーン証明書

Blog

Verifiable Credentialsのコンテナ構造とは?VCsの理解を深める。

今回はVerifiable Credentialsについて、より理解を深めることを目的に解説していきます。 Verifiable Credentials の基本的な情報についてはこちら。 Verifiable Credentials(VCs)は、言葉通り解釈すると「検証可能な認証情報(クレデンシャル情報)」というように理解されてしまいますが、これは間違いです。 正確にはクレデンシャル情報を格納する「箱」であり、Digital Trust Ventures のTimonthy Ruff氏も「VCsとはコンテナのようなものである」と提唱しています。 では、次項からこの解釈についてより詳細に解説していきます。 VCsとは「コンテナ」のようなものである まず、VCsは情報そのものを指すものではなく、その情報を格納する入れ物つまりコンテナであり、検証されるのは「その入れ物の真正性」になります。 また、VCsが検証可能なコンテナのようなものであるならば、「検証可能なデータ伝達方法」と言い換えることもできます。 VCsは任意の種類のデータ(ID、資格情報、卒業証書など)を格納することができ、このデータをパッキングする主体を「発行者」(issuer)と呼びます。また「検証者」(verifier)と呼ばれるVCコンテナの受信者は、そのペイロード(またはその部分集合のプルーフ)を解凍して検証します。 発行者と検証者の間には、通常標準化されたSSIデジタルウォレットでVCを運ぶ人為的作業が発生しますが、VCsは他の方法で転送したり、リレーショナルデータベースまたは分散型台帳に保存したりすることもできます。 つまり、 自身でデータを管理するためのSSIデジタルウォレットを用意し、P2P(ピアツーピア)で他者、組織、または物との接続を許可する。 主体からVCsを受け取り、ウォレット上で保有した場合は保有者(holder)と呼ばれ、逆にVCsを提供した主体は上記のように発行者(issuer)と呼ばれる。 というのが一連の流れです。 また、このVCsのデータ全てではなく、一部を共有することもできます。(SSI※) さらに、VCsを保有していることの証明や、複数のVCをまとめた複合証明の共有も可能です。 ※SSIについてはこちら。 他方で、検証者は共有されたものが 「誰(または何)によって発行されたのか」 「誰に対して発行したのか」 「発行からの改ざんの有無」 「発行者主体による取り消しの有無」 を検証することができます。 重要な点は、「データが検証可能である」という点に関して真正性があるのではなく、その入れ物(コンテナ)であるVCsが検証可能であるということです。 Blockcertsを例に取ると、誰(大学など教育機関)がコンテナ(VCs)に卒業証明書情報を梱包したのかという「VCsの出所」を確認することはできますが、格納されたデータそのものの真正性を検証できるものではありません。 よって、大学側が卒業生ではない誰かに卒業証明書を偽造して発行するといったことは可能であり、学歴詐称を根本的に防げるようなものではありません。 つまり「VCsとは検証可能なコンテナである」という文章は、データを運ぶ入れ物として信憑度が高く、高速伝搬可能であるという点を表現しており、VCsが既存の情報伝達の過程に関する課題解決に貢献するものであるということを示しています。 既存の証明書発行技術は逐一発行者に連絡し、発行を依頼するというプロセスが発生します。ですが、VCsにより検証者は元の発行者に連絡することなく、上記に示した4つを即座に検証することができるのです。 Verifiable Credentials がもたらす広大な可能性 加えて、VCを貨物用コンテナに例える理由は、「検証可能なデータ伝達方法」であるという側面だけでなく、貨物用コンテナのようにVC規格の標準化が進むことで、「信頼のおける情報の取引コストが劇的に効率化」するという意味も含まれているからです。 Timonthy Ruff氏は、実際に「コンテナ規格の標準化」(ISO)を導入し、様々な業界の主体をISOに準拠させたことで、世界貿易の取引コストを劇的に効率化したことを例に挙げ、VCs標準化の可能性を示しています。 具体的な課題を挙げると、 ユーザー名とパスワードの複数保持 面倒なフォームとオンボーディングのプロセス サービスセンターに電話する際の、口頭での認証、転送の再認証 契約署名の有無、同意への待機時間 あらゆる種類の申請が承認されるまでの待機時間 あらゆる種類の文書、記録のタイムラグ 検証に依存する、多くの遅くて面倒なプロセス これらすべてを解決した際の経済効果はかなり大きく、ユーザーエクスペリエンスも素晴らしいものになるでしょう。特に、プロセスとワークフローは、簡素化・自動化・高速化でき、ほぼシームレスなエクスペリエンスを提供できます。 いくつかの課題はあるものの、VCで何が実現できるのかを探索し、実証し、広く社会認知させていくことの必要性は非常に高いと考えられます。 弊社は今後とも業界を越えたコラボレーションを実現し、VCsの標準化に寄与してまいります。

Featured Post

ブロックチェーン証明書の標準規格「Blockcerts」の導入事例まとめ

  今回は、弊社の『CloudCerts』にも活用しているブロックチェーン証明書の標準規格『Blockcerts』について、世界各国の具体的な導入事例をまとめました。   Blockcertsについてはこちら。 世界的に見たBlockcertsのメリットについてはこちら。   ブロックチェーンベース卒業証明書   実際に、当社のCloudCertsから発行されたBlockcerts準拠のブロックチェーン証明書が以下です。 Cloudcertsについての詳細はこちら。 『Blockcerts』はマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボとLearning Machine社(現在はHyland社傘下)との共同開発で生まれ、2017年10月には、一部の学生向けにBlockcertsを利用したブロックチェーンベースの学位証明書が導入されました。 また、Blockcertsを利用したブロックチェーン卒業証明書では、『Blockcerts Wallet』と呼ばれるアプリケーションを利用しており、生徒や卒業生はiOSおよびAndroidで、自身の学位証明情報や卒業証書を簡単に管理できるようになりました。 これを皮切りに、以下の教育機関がBlockcertsによる卒業証明書の発行を開始しています。 ハーバード大学(アメリカ) ニューメキシコ州立大学(アメリカ) メルボルン大学(オーストラリア) マルタ大学(マルタ共和国) バーレーン大学(バーレーン) 香港科学技術大学(香港) バーミンガム大学(イギリス) その他にも、世界中の教育機関がBlockcertsによる学位証明の提供や実証実験を進めています。 日本でも、2018年に経済産業省・文部科学省が共同でBlockcertsの教育機関への利用を発表しており、ブロックチェーン学位証明書を提供するための取り組みを行っています。 (参考:大学学位証明、オンラインで取得 ブロックチェーン活用)   ブロックチェーンアイランド「マルタ共和国」   マルタ共和国は国家戦略として「ブロックチェーン国家」を掲げており、卒業証明書のみならず、日常のあらゆる分野にBlockcertsを活用しています。 以下はLeaning Machine社とマルタ共和国政府が、Blockcertsをを活用して検証可能にしたブロックチェーン証明書の例です。 教員免許証 運転免許証 不動産契約 結婚証明書 原産地証明書 出生証明・残高証明書 教員免許証と不動産契約については既に義務付けが決定している等、マルタ共和国政府は日常生活におけるブロックチェーンのさらなる普及を推進しています。 以下は実際にマルタ高等学校を卒業した際の成績書です。     医療資格や患者の診断書や記録     「Blockcerts」を利用したブロックチェーン証明書は、医療資格証明書にも活用されています。 米国を中心とした70の医療機関及び整骨院を代表する米国連邦医療委員会 (FSMB)は、医学教育資格をブロックチェーン上で検証することを可能にしました。 具体的には、医療資格に「Blockcerts」を利用したブロックチェーン資格証明書を発行することで、発行機関またはプラットフォームベンダーが機能を停止した場合でも、受信者が自分の記録を所有し、永久にそれらを共有および検証できるようにしています。 また、FSMBは医師のみでなく患者の診断書をシームレスに共有する取り組みも行っています。   コロナウイルスで浮き彫りになった「医療提供の機会」     米国は、COVID-19による深刻な医療従事者の不足を踏まえ、FSMBが取り組む「Blockcerts」を利用した医療資格提供を、米国本土全体に応用することを検討しています。 この背景には、特に人員不足が深刻だったニューヨーク州をはじめ、様々な州が一時的に高額な報酬で医療従事者を募集したものの、応募者の資格検証に複雑なプロセスを要することにより結果的に患者への対応に支障をきたしてしまった、という事情がありました。 同プロジェクトは、Blockcertsの開発コミュニティの中心であるHyland社がHyland Credentials(Blockcertsの新名称)を採用予定であり、安全かつ迅速な方法で医療従事者を現場に投入するプロセスを提供できるとしています。 その他にも、欧州や中東、アフリカではCOVID-19の影響を受け、電子投票やソーシャルディスタンスを保つための管理システムにブロックチェーンを活用することが公表されており、その一部に「Blockcerts」を活用することが検討されています。   国連主導のプロジェクト「C-Lab」     2020年より実証実験が開始されている、米国のプロジェクト「C-Lab」にもBlockcertsが活用されています。 「C-Lab」は、SDGs(持続可能な開発目標)の一つ、「質の高い教育をみんなに」を達成するために発足したコロラド州全体のプロジェクトです。 2023年にコロラド州での実証実験を終えた後、国連主導のもと世界中に社会実装されていく予定です。 「C-Lab」の概要についてはこちら。 そして、当社も日本唯一のデジタルクレデンシャル専業のスタートアップとして、Blockcerts準拠の証明書を日本の教育機関向けに提供しています。   参考 Electronic Documents Verification Program Digital Diploma debuts at MIT Malta Passes Trio of Bills as Part of ‘Blockchain Island’ Plan 大学学位証明、オンラインで取得 ブロックチェーン活用 Federation of State Medical Boards Blockcerts help get healthcare providers into the field safely and quickly Malta to Register All … Read More

Featured Post

ブロックチェーン技術を用いた次世代ファイルストレージサービス「Filecoin」

Peer to Peer(P2P)ネットワーク上で動作する分散ファイルシステム:IPFSを利用したFilecoin(ファイルコイン)について紹介します。 まずIPFS(InterPlanetary File System)とは、Protocol Labsにより開発が進められている、P2Pネットワーク上で動作するハイパーメディアプロトコルです。 現在のインターネットで主要なプロトコルはHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)ですが、それを補完または置換するプロトコルとして注目を集めています。 IPFSについての詳細はこちら。 Filecoinの開発企業「Protocol Labs」   Protocol Labsは2014年に、IPFSとFilecoinを考案したJuan Benetによってシリコンバレーで創業されました。 Protocol Labsの主なプロジェクトとして、P2P通信や、P2P上の分散ファイルシステムやコンテンツデリバリーネットワークが挙げられます。中でも、IPFS・libp2p・Filecoinは画期的なプロジェクトとして、中国を中心に注目を集めています。   Filecoinとは   Filecoinは、P2Pネットワーク上で、ストレージを提供する個人や中小企業が報酬を得ることが出来る分散ネットワークです。 既存のIPFSのプロジェクトでは、ストレージを提供する側に経済インセンティブがないという課題があり、ピン止めされたコンテンツしか永続的に保存されませんでした。つまり、IPFSではアクセスされないファイルは消えてしまう可能性があるという課題を抱えていたのです。 この課題を解決するべく、インセンティブが設計されたネットワークがFilecoinです。   Filecoinの仕組み   Filecoinの仕組みとしては以下が挙げられます。 ユーザーはお金を払ってマイナー(ストレージの供給者)にファイルの保存を任せる。 ストレージマイナーは、Filecoinのブロックチェーンを参照し、ファイルが正しく保存されていることを証明する役割を担う。 Filecoinのブロックチェーンには、独自のブロックチェーンと暗号通貨(FIL)を送受信するための取引履歴、ストレージマイナーがファイルを正しく保存しているという証明を記録する。 FilecoinにはFILが存在し、ストレージマイナーは、ファイルを格納するとFILを報酬として獲得する。 特徴として、ファイルストレージを使う側としても、提供する側としても自由にFilecoinのネットワークに参加できることが挙げられます。 また、オープンなマーケットで取引されており、ユーザーはどのストレージにファイルを保存するか・ストレージの性能・利用するストレージの数を自由に選ぶことができます。   Filecoinのメリット   Filecoinのストレージを使用するユーザーのメリットとして下記が挙げられます。 オープンな市場のため価格が低くなる。 最適なストレージを提供しているマイナーを選択する事ができる。 プロバイダーごとに異なるAPIの実装が不要。 Filecoinのブロックチェーンにいつでもアクセスし、ファイルが正しく保存されているかを確認することができる。   一方、ストレージプロバイダーとしてのメリットは以下が挙げられます。 オープンなマーケットでストレージを販売することが可能 ファイルの保管により、多くのブロック報酬を受け取ることが出来る。 ネットワークへのアクセスは、Filecoinのプロトコルによって自動的に処理されるため、独自APIの設計・提供するサービスの宣伝が不要。   Filecoinの将来性     FILは上記のようにマイナーへの配布量は多く、最初の1年間でマイナーが8000万FILを得ます。 つまり最初の数年は極めてインフレーション率が高いコインとなっていますが、これは初期にストレージ提供者を増やすための設計であると考えられます。 よって、大規模な初期投資が必要で、参入障壁が非常に高かったクラウドストレージ市場に対し、オープンな市場を提供する、新しいシェアリング型プラットフォームとして今後普及が見込まれています。   参考 https://docs.filecoin.io/introduction/what-is-filecoin/ https://coinlist.co/assets/index/filecoin_index/Filecoin-Sale-Economics-e3f703f8cd5f644aecd7ae3860ce932064ce014dd60de115d67ff1e9047ffa8e.pdf https://filecoin.io/filecoin.pdf https://medium.com/swlh/ultimate-guide-to-filecoin-breaking-down-filecoin-whitepaper-economics-9212541a5895  

Featured Post

ブロックチェーンによる分散型信用スコア「Bloom」

  今回は、前回まとめたCOLENDIに比肩する規模の分散型信用スコアサービスを提供する「Bloom」についてまとめました。 COLENDI、分散型信用スコアリング機能についてはこちら。   Bloomとは     Bloomは2017年にアメリカで創業されました。 創業の目的として主に以下2点が挙げられています。 スコアリング情報などの個人情報の分散管理 世界中の人々へのグローバルな信用の提供 創業同年、信用情報管理事業において米国最大手のEquifaxがサイバー攻撃を受け、国民の半数以上に及ぶ1億5千万人の信用情報のデータが漏洩したという事件がありました。 この事件以降、アメリカの信用スコアリングモデルを提供するFICO、及びその算出に携わる信用調査機関の中央集権的な構造に対し疑問視する声が上がりました。 この構造への解決策として期待されたBloomは当時、ICO(暗号資産による資金調達方法)を実施し、$41,400,000(約45億円)を調達しています。 またCOLENDIと同じく、世界の約30億人が銀行口座を持つことができないという問題を解決するために、ボーダレスに通用する信用スコアの提供を目指しています。   Bloomのサービス   Bloomが提供するサービスはBloomID・BloomIQ・BloomScoreの3つです。 BloomIDは世界中で利用可能な分散型IDを提供するサービスです。また、今後の構想として、BloomIQでユーザーの取引履歴を蓄積し、その情報を基にスコアリングサービスであるBloomScoreを提供していくことが発表されています。   BloomIDをiOS上で提供するBloomAppsは、2019年2月にUS AppStoreのUtilityカテゴリーでTOP10入りを果たし、現在では25万人以上のBloomIDを発行しています。 BloomAppsの特徴として、ストレージ方法にブロックチェーンとの親和性が高い分散型プロトコル・IPFSを採用していることが挙げられます。(IPFSについてはこちら。) よって、金融機関へのデータ提供による個人融資のみならず、Peer to Peer によるレンディングサービスも提供可能になっています。   これらのサービス以外にも、銀行口座に紐付ける必要がなく、世界中誰でも発行可能なクレジットカード「BloomCard」の発行が予定されています。 このカードは無担保消費者への信用を可能にすることで、発展途上国でBloomScoreを浸透させることを目的としています。 外国為替手数料や海外送金手数料を省くため、ETHを支払手段とする予定です。   スコアリングの算出方法   BloomScoreの算出方法はwhitepaperにて公開されています。 フェーズが以下の3つに分かれています。 フェーズ1 支払い総額と未払金総額 最長の返済履歴 平均月間支払額 過去のローンの数 すべてのレポート情報横断での支払総額 フェーズ2 ステークしたPeerの平均スコアが数式の変数として追加。 フェーズ3 自身の金融取引だけでなく、過去の履歴から、そのユーザーとの金融取引に積極的なステークホルダー(Bloomユーザー)の取引実績値に基づいたスコアを算出。   また今後のロードマップとして、Bloom Token(BLT)を発行し、さらなるクレジットスコアへの機能強化を図っていくことが予定されています。   Verifiable Credentialの発行開始   Bloomは、2020年のコロナウィルス感染症によるパンデミックへの対応の一環として、検証済み免疫証明書(Verifiable Immunity Credentials)の発行を開始しました。 この証明書はコロナウィルスの免疫を獲得していることを証明可能であり、BloomIDに紐づく形になっています。 またユーザーの医療情報や診断結果はプライバシーとして保護されている設計となっています。 かつてない失業率、医療現場などの人員不足が起こっている現在、この危機への対応策として世界的に注目を集めています。   参考 Major Milestone: 250,000+ BloomIDs Created↩ https://twitter.com/Bloom/status/1104121421628755968↩ https://bloom.co/whitepaper.pdf https://bloom.co/ Helping Fight COVID-19 with Verifiable Immunity Credentials

Featured Post

ブロックチェーンで分散型信用スコアリング「COLENDI」

  今回はブロックチェーンを活用した信用スコアリングのプロジェクトの一つ、『COLENDI』についてまとめました。   COLENDI とは   『COLENDI』は、2016年2月にスイスのツーク州で設立されましたが、2019年2月に開発拠点の1つであるトルコでプロダクトをローンチした為に、現在トルコと中国が開発拠点となっています。 COLENDIは「世界中のすべての人にフィナンシャルスコアとアイデンティティを与え、彼らに安心と安全を保証する」をビジョンに掲げ、マイクロクレジットや信用スコアリングのプラットフォームとしてプロジェクトを進めています。 プロダクトの特徴として、ブロックチェーンを利用していることが挙げられます。顧客のデータを保護しながら、開発された信用スコアリングを基にユーザーに自己主権とデジタルIDを提供しています。   信用スコアリングの問題点     既存の信用スコアリング、及びその際に使用される個人情報の管理については、 特定の組織が中央集権的に管理(例:マイナンバー制度) スコアリングアルゴリズムの違い 特定の地域や国の中でのみ有効な証明 といった課題が存在します。以下、各項目ごとに詳しく説明します。 1.中央集権的な管理の場合、サイバー攻撃などによる情報漏洩のリスクがあります。 例えば、2017年に信用情報管理事業において米国最大手のEquifaxがサイバー攻撃を受け、国民の半数以上に及ぶ1億5千万人の信用情報のデータが漏洩しました。 このように、特定の機関へ情報管理を委託することは、プライバシー保護が十分に行き届いてないことを意味します。 2. 消費者の信用スコアリングについても、Equifaxや芝麻信用※のような信用情報機関が、どういったプロセスで格付けや債券のスコアリングを行っているかが不透明な部分が多いと言われています。 また、企業毎に、提供する信用スコアのアルゴリズムは異なっており、性別の変更のみでスコアに差異が出るような信用スコアが存在していることも課題です。 ※芝麻信用:中国モバイル決済においてトップシェアにある『Alipay(アリペイ)』のアプリに搭載されている機能の一つ 3. 世界銀行の統計データによると、世界には銀行口座を持っていない人々が約20億人存在すると言われています。よって、クレジットカード作成も不可能であり、自らの信用情報を証明することが困難であるため、ローンなどの様々な金融機会にアクセスすることができません。 また、現在の発展途上国において、ローンを受けている人は全体の10%にも満たないという現状があります。 これは金融業者が借り手を評価することが困難であることが原因であり、高利子貸付などの違法なマーケットの拡大につながってしまいます。   分散信用スコアリングとは     上記の課題を解決するべく開発されたのが、分散信用スコアリングです。 分散信用スコアリング(decentralized credit scoring)は既存のスコアリングと異なり、分散的に個人情報を取得・管理し、算出する信用スコアリング技術です。 つまり、企業にデータを預けずに、ブロックチェーン上で個人情報を管理するため、データ流出・漏洩のリスクを回避することができます。 また、銀行口座やクレジットカードを持たない人でも、債務履歴や返済率を元に信用情報を獲得可能であり、既存の金融機関にアクセスできない人々に資金調達の機会を提供できます。 さらに、オープンソースコード上のスマートコントラクトを見れば格付けプロセスを把握することができるため、透明性を保証できます。 Colendiは、この分散型スコアリングの機能を持つプロダクトを提供しており、取引履歴やスマートフォン、ソーシャルメディアなどから収集された情報により信用スコアを算出します。   信用スコアの指標とデータ取得方法     COLENDIの信用スコアでは、1000以上の指標を元にしています。 主な例として下記が挙げられます。 Smartphone data(スマートフォンデータ) Social media data(ソーシャルメディアのデータ) Transaction data(取引データ) Blockchain credit history data(ブロックチェーン上のクレジットヒストリーデータ) Personal data(パーソナルデータ) 更に通信の決済履歴や購買データも指標に入れるため、通信会社や大手のリテールチェーンといった企業とのパートナーシップを進めています。 また、算出する信用スコアに、機械学習を活用したアルゴリズムを使用しており、特許取得済となっています。     COLENDIでは、データ提供の対価として独自のトークンを支払います。これにより、トークンによって自律的にインセンティブ設計を行うシステムの構築を実現しています。 また、ブロックチェーンを利用することで、データの編集や閲覧が不可能なシステムを構築し、ハッシュ化されたデータの署名をチェーンに記録し、改ざん不可能な形式で保存することができます。   enigmaとCOLENDIとのパートナーシップ   ユーザーのプライバシーの強化のため、COLENDIはenigmaとパートナーシップを結んでいます。 ブロックチェーン上に格納されているデータは世界中の人々が参照できるため、ユーザーの個人情報をノードが閲覧できないようにする必要があります。 enigmaはトランザクションデータを分散的に秘匿化する技術を持っています。具体的には、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンのスマートコントラクトを用いつつ、ユーザーがCOLENDIのアプリケーションにログインすると、自分のIDのみがネットワーク上の他のユーザーと共有され、データ全体を非公開にすることができます。 そして、IDパラメータへのアクセスは、ユーザー所有のスマートフォンと、登録時にユーザーに与えられた秘密鍵によってのみ可能となります。   COLENDIと分散型信用スコアリングの将来性 デジタル社会では、個人を取り巻くデータが増え続けるのと同時に、常にデータ漏洩の危険が存在しています。よって、保護されたデータを使用して自身の信用度をスコアリングできるサービスは、今後さらにニーズが増加していくと考えられます。 加えて、個人情報を提供せずとも、分散信用スコアリングによって得た評価により、サービスを受けることも可能になります。つまりユーザーや企業が、個人情報を保護するセキュリティに膨大な労力と費用を費やす必要がなくなるのです。 また、2019年6月に発表された、送金コストのWorld Bankの報告によると、世界の送金平均コストは6.84%でした。一方、南アフリカをはじめとした、低所得国や中所得国からの送金コストは、依然として20%をやや上回っています。 そこで、COLENDIは、上記に述べた銀行口座の問題に加え、国境を越えた支払いコストの節約を目標に掲げています。マッキンゼーの調査レポートによると、COLENDI他、リップルやリブラアソシエーションが取り組んでいる、ブロックチェーンプロジェクトの効果は年間最大40億ドルの節約に値するとしています。 このように、世界的にボーダレスな分散型信用スコアは、今後さらに「国」という枠を超えてビジネス及び生活に浸透していくと考えられます。   参考 Why does Colendi use blockchain technology? Next Generation Banking Shaped by Fintech 3.0 マッキンゼー当局による世界銀行調査報告書 https://interbit.io https://www.slideshare.net/NOAHAdvisors/colendi-noah19-berlin

Featured Post

世界規模の証明書デジタル化プラットフォーム「DIGITARY」とは

今回は世界規模のクレデンシャルプラットフォーム「DIGITARY」が提供する各サービスについて紹介します。 DIGITARYとは DIGITARYは、グローバル化に伴った欧州での偽卒業証書製造所問題を受け、不正な大学入学申請を防ぐためにAndy Dowlingによって2005年に設立されたアイルランドの会社です。 「資格情報をオンラインで発行、保存、検証するための安全な方法を提供する」というビジョンの下、学歴の認証・共有・検証のためのオンラインプラットフォームを提供しており、現在135か国以上の組織で使用されています。 主な顧客は、アイルランド、英国、中国、インド、ポルトガル、米国、カナダの教育機関や政府、そして現在はオーストラリアとニュージーランドの教育機関もいくつか加わっています。 例えば中国では、中国教育省(CHESICC)と協業し、中国人海外留学生の学歴を検証するプラットフォームとして利用されています。 また、世界トップ10の大学すべての学歴がDIGITARYを通じて検証可能であり、ケンブリッジ大学、マンチェスター大学、ロンドンスクールオブエコノミクスを含む英国大学の76%が、DIGITARYを使用して資格検証を行っています。 Digitary CORE Cloud Platform DIGITARYが提供するクラウドプラットフォーム「DIGITARY CORE(Digitary Certified Online Record Exchange)」では、世界中の学生が、デジタル署名された卒業証明書や学習記録にオンラインでアクセスすることができます。 この学生の情報は、雇用主、教育プロバイダー、政府、その他のサードパーティと共有することができます。 使用するメリットとして以下が挙げられます。 安全なデジタル技術の使用による信用詐欺の減少 学習者と雇用者主体の管理サービスによるコスト削減 学習者の学業記録への容易なアクセス 学習者の認定資格や学習記録の第三者への共有、検証 GDPR(データのプライバシーと保護)に準拠(詳細はこちら) https://www.thebadgesummit.com/ より引用   更に新機能として「Digitary Badge」を実装しています。これはOpen Badge標準に準拠しているため、あらゆる学習記録を検証可能な形式で表すことを可能にしました。 ユーザーはDigitary Badgesを使用して、授与されたバッジを受け取って収集できます。また、バッジを共有し、成果と能力を実証することで、雇用市場へのサポートとして役立ちます。 一方、教育機関ではDigitary Badgesを使用することで、カリキュラムを調整し、学習者のスキルと能力の認識を強化できます。 OpenBadgeとブロックチェーン証明書の違いについてはこちら。 DIGITARY VIA DIGITARY VIA (Verified International Applicants)では、Digitary COREやDigitary Badgeで得た学歴や学習履歴を、国際的に検証された形でサポートを受けることができます。 このサービスでは、国際的に信頼されている専門家で構成された資格評価チームによって検証・翻訳・評価されます。 検証済みの記録は、独自のアプリケーション『Digitary Wallet』に保存されるため、申請者は記録の共有を制御し、さらなる研究や雇用を申請するときに利用できます。 使用するメリットとして以下が挙げられます。 検証済みの学歴や学習記録の国際的検証 Digitary Wallet内の検証済み記録にどこでもアクセス可能 他の機関への申請に再利用可能 学術記録を英語版に翻訳 中間資格の評価、完了時の完全資格への更新 SSI準拠に向けた取り組み DIGITARYは、2019年11月にSSI準拠した分散IDネットワークを提供するEvernymと協業を発表しています。 Evernymの副社長であるAndy Tobin氏は、このパートナーシップにより、数千人の学生がデジタルライフを管理できる可能性があるとしています。 また、Digitaryの創設者兼最高経営責任者であるAndy Dowling氏は、「現在SSIとブロックチェーンを適応させる最善の方法を検討しており、適切なテクノロジーを適切なタイミングで取り入れていく」と語っており、今後分散型IDへの取り組みが進むことが見込まれます。 一方で、同氏はブロックチェーンに対し、「ブロックチェーンを利用することで、発行者、学習者への負担が大きくなることが懸念される。オンチェーンやオフチェーンなど、様々なブロックチェーンペースのソリューションに対し標準化が複雑である。」と懐疑的な姿勢も示しています。 ・SSIについてはこちら。 ・分散型ID(DID)についてはこちら。     参考 Digitary & Evernym collaborate DIGITARY – SECURELY VERIFYING CREDENTIALS WORLDWIDE Secure Online Access For Learners PRIVACY POLICY https://www.myequals.edu.au/ https://corp.collegenet.com/ https://www.chsi.com.cn/en/ https://www.groningendeclaration.org/ https://www.pesc.org/ Andy Dowling, Chief Executive, Digitary, Ireland

Featured Post

Contact us

info@lastrust.io